
年収交渉してほしい!転職エージェントから内定連絡を受ける時の注意点
応募先企業の最終面接が終れば、転職エージェントから内定連絡がきます。このページでは内定連絡を受ける際、求職者が注意しておくべきポイントや転職エージェントとのコミュニケーション方法について説明します。年収交渉はどのタイミングで申し出れば良いのか?内定を辞退したらどんなペナルティがあるの??そんな不安や疑問に対して、元転職エージェントのマーケティング担当者が詳しく解説していきます。

転職エージェントのサービスフロー:このページでは”内定(年収交渉)”について説明します。
年収交渉は企業へ面接に行く前に切り出すことが大切
転職エージェント各社のWebサイトを見ると、各社とも提供している転職サービスの流れの中に「内定、年収交渉」という表記がなされています。
これはその名の通り、コンサルタントが求人企業へ年収交渉をしてくれるということです。
各社とも、転職サービスの流れを紹介する説明書きの中で、この「年収交渉」は、転職活動の流れの後半部分に書いてありますので、求職者から見ると、「内定が出るタイミングでコンサルタントに希望年収を伝えれば良いのかな?」と思ってしまいがちですが、これは少し違います。
あくまで転職エージェントとしては、入社する前にきちんと求人企業側に対して年収交渉をしますよ、ということを表現しているに過ぎません。
捉え違いないようご注意いただければと思います。
では、求職者はどのタイミングで年収交渉をお願いすれば良いのでしょうか。
これはずばり、求人企業と面接する前です。
キャリアコンサルティング面談を受ける際の心得のひとつとして「聞きにくいことは先に聞いたほうが良く、まずは給与や年収のことから質問しましょう」と説明しましたが、まさにこれなのです。(転職エージェントのコンサルタントとの面談についての注意点をまとめた記事はこちら:転職エージェントと面談時の服装や持ち物とは?注意点や裏事情について)
転職エージェントに登録し、キャリアコンサルティング面談を終え、コンサルタントから求人紹介があった時点で当然ながら紹介された求人の年収も提示されます。
多くの求職者の方は、年収というとても大切なテーマであるにもかかわらず、コンサルタントから求人が紹介された瞬間は、求人内容ばかりに目が向いてしまい、年収について真剣に考える方が少ないようです。
また、「あまり給与や年収のことを言ってしまうと進行してくれなくなるのでは?うるさい求職者と思われるかな?」と、心配する方も一定数いらっしゃいますが、求職者の希望をしっかりと把握し、転職を成功させることが転職エージェントの仕事なのですから、妙な心配をすることなく、しっかりと希望を伝えていくようにしてください。
とはいえ、どのように年収について切り出していけば良いのか悩む方も多いかもしれません。そういう方は以下のように転職エージェントのコンサルタントへ切り出してみましょう。
年収交渉時の代表的な聞き方
「紹介された求人は年収450〜500万円と50万円の幅がありますが、私のこれまでの経験とスキルをもとに考えるといくらになりそうでしょうか」
上記のように転職エージェントのコンサルタントに聞くと、過去のこの求人企業の実績やコンサルタントの経験値からおおよその年収を答えてくれると思います。
たとえば「この求人企業における過去の決定実績に基づくと、年収470万円は下回らないと思います」とか、「あなたの経験スキルを考慮すればこのポジションで提示されている上限の500万円は堅いと思います」など、おおよその目安を教えてもらえるでしょう。
また、このように転職エージェントのコンサルタントが目安となる年収を具体的に口にすることで、これはひとつの約束ともなりますし、コンサルタント側も「言った以上、企業としっかり交渉しよう」と意識が定着します。
年収についてコンサルタントに質問し、希望を伝えることは、あなたと転職エージェントの双方にとってプラスに働きますので、求人を紹介された時点でぜひこのように聞いてみてください。
まとめ
- 求人紹介を受けた際に、年収がどれくらいになるか確認するようにしよう
- 年収交渉をお願いすることはあなたと転職エージェント双方にとって良い結果をもたらす
内定連絡では、あなたの最終意思が確認される
内定連絡は、転職エージェントを介して、あなたへ連絡がきます。内定通知は、求人企業からダイレクトに連絡がくることはありません。
この転職エージェントからの連絡は、電話あるいはメールできます。
もしメールで第一報があったとしてもコンサルタントはあなたと話さなければならないことがありますから、必ず「詳細は電話にてお話したいのでご都合の良い時間を教えてください」と、伝えてきます。
さて、コンサルタントが内定通知とは別に、あなたと話したいこととはいったい何でしょうか。
もちろんあなたへ直接祝福の言葉を贈りたいという思いがあるのは当然のことながら、直接話したい理由、確認したいこととは、あなたの最終意思です。
「内定が出たけど、入社意思を示してくれるか」
これを転職エージェントはあなたに確認したいのです。
実は、内定を得た後、辞退される方はかなりの数に上ります。転職したいと思っていろんな企業を受けたにもかかわらず、いざ内定が出ると辞退される方は本当に多数存在します。
家族の反対によって内定を辞退する求職者は多い
内定辞退者から一番多く聞かれる理由は、「他の企業でも同じく内定が出たから」というものですが、「家族の理解が得られない」という理由も多く聞かれます。
これはあまり知らない方も多いのですが、転職エージェントはあなたが登録に来られ、キャリアンコンサルティングの面談や求人紹介など、あなたとのさまざまなやり取りのなかで、「この転職に際して、ご家族へは話をしているか? ご家族から転職することについて理解は得られているのか?」といった点を確認しています。
求職者側としてはこの質問を受けた際、「家族には説明していないけど後で伝えればいいや」と案外軽く考えて、「転職することは理解してもらっています」とうその回答をする方がいます。
そして、家族に説明しないまま転職活動が進んでいってしまい、内定が得られて初めて家族に話すという方がかなりの数います。
そして、内定が出てはじめて奥様(あるいはご主人)に話をしたとき、「転職するなんて聞いていない。収入はどうなるのか。転職後、実はよくない会社ですぐに辞めることになったらどうするのか・・・」という、質問責めにあうことになります。
そうなると不思議なもので、あなた自身も「転職エージェントや求人企業からは良いことしか聞いていないのかもしれない。もしこの転職で失敗したらどうしよう」という猜疑心や不安感が生じてくるのです。
そして、「転職はやめておこう」という答えに辿りつく方がかなりの数いるのです。
現職の上司から強く慰留されて、内定辞退する求職者も多い
もうひとつ多い理由が、現職からの慰留です。
新しい企業から内定を得て、退職の意を現職の上司に伝えたところ、強い慰留に合う方は本当に多くいます。リーダー職や管理職の方はほぼ慰留されるでしょう。
自分はそんなに慰留は受けないだろうと思われている方ほど「思い返してくれないか」と強く慰留される傾向にあるようです。
慰留はいろんなパターンでされますが「本当にやりたいと思っている仕事ができる部署やポジションへと異動させてあげる」「年収を上げる」「昇進させる」が代表的な慰留文言です。
転職をしようと思い活動をしてみて内定を得た。しかし現職で好条件にて慰留され、結果的に良い条件で現職に留まることになった・・・。
これはこれで、とても良い結果だと思います。
しかし、最終的にどうするかはさておき、転職エージェントを利用して転職活動を行う際、大切なのは転職エージェントのコンサルタントにはうそをつかないということです。
あなたの置かれている状況をコンサルタントに素直に伝えることがとても大切なのです。
転職エージェントは“転職における専門家”です。
転職したいと思っていることを家族になかなか切り出しにくい場合は、そうした状況であることをコンサルタントに素直に話してみてください。
また、現職の上司から強く慰留を受けている場合、あるいは受けそうだなと思っている場合はその旨をコンサルタントに素直に話してみてください。その理由を続いて説明させていただきます。
転職エージェントは、現職への退職方法や家族への伝え方もアドバイスしてくれる
実は、転職エージェントが持っているノウハウのひとつで、現職への退職交渉というものがあります。
退職や転職することを、どういった切り出し方で、どんなタイミングで話せば良いか、転職エージェントのコンサルタントは、個別の事情を考慮した上であなたにアドバイスをしてくれます。
現在の職場ときれいな別れ方をするのはとても大切です。
自分ひとりではなかなか上手く説明できないかもしれないと思われる方は、転職エージェントのコンサルタントへ「現職への退職届の出し方がよく分からない」と相談してみてください。
特に、IT系やエンジニアの方などは、口下手の方が多く、また、良い意味で人の良い方が多いからか、現職からの強い慰留に対して上手く断ることができない方が多いようです。
退職届の書き方はもちろんのこと、どのように上司と面談のアポイントを取れば良いか、どういったタイミングが適切か、転職エージェントのコンサルタントにアドバイスを求めてください。
転職活動していることをご家族へ説明ができていない方も、どのタイミングで言えばよいか相談してみてください。
登録後の最初の面談時点に、「すぐにひと言だけでも家族に転職の意があることを伝えてください」と言われるケースが多いと思いますが、こればっかりは家庭環境によって事情が異なりますから、個別事情を考慮したアドバイスをしてくれます。
たとえば「書類選考が通過したら家族にひと言伝えましょう」というアドバイスや「一次面接が通過してから伝えてみてください」というアドバイスを受けられると思います。
ポイント
- 転職エージェントは退職方法や家族への伝え方のノウハウも持っている
- 転職エージェントにはあなたの現状を素直に伝えましょう